御柱休め 諏訪大社上社前宮 (茅野市宮川)

2016.04.18 / 地域を知る / 編集部さん

桜花爛漫。
前日に「酉の祭り」と言われる御頭祭をお納めして、しんとなった前宮の十間廊。
今日はここより100mほど先の社殿、ある特殊なお祭りがあります。

(や、御頭祭も特殊なお祭りなんですけどね)

4月のはじめ、八ヶ岳の麓から運ばれた御柱は、この前宮から歩いて10分ほどのところに到着。
5月初めの里曳きで本宮とこの前宮に、氏子の手によりやってきます。

…と、その前に。
前回建てられた柱はこのままお宮の四隅に建てておくことはできません。
あたらしい柱が来るまえに、お休みの儀式を行います。

それまでの御柱を曳き倒して、とあるお宮に運び、ご神木から元の木に戻す。
この一連の過程を総称して「古御柱祭」と言います。
この奉仕は、400年以上も前から諏訪市中洲中金子地区にある「八立神社(はちりゅうじんじゃ)」の氏子衆が行うのが習わしです。
その件はこちらに少々→たてしなの時間 「八立神社
今日はその最初の日。いつもは1日で完了していた御柱休めを今回は3日に分け、今日は前宮に建てられた4本を曳き倒します。

4月16日朝、諏訪大社から神職がやってきて、まずはお清めの神事をします。


お道具はこんなものを。
  

今はもちろん現代的なものも使います。

柱は中金子地区のなかの4つの町内会が分担して曳き倒します。
お清めのあと、御柱の周りの玉垣を丁ていねいに外して、曳き倒す ためのロープを掛けていきます。

奥では、前宮四の柱も作業中。
あっちをのぞいてみましょう。

柱に結わえられたロープが何本も張りめぐらされてされています。
急激に柱が倒れたりしないように支えるロープや、曳き倒すためのロープ。
それぞれがバランスを保ちながら、柱はゆっくりと大事に扱われ、曳き倒されます。
時には根元が腐っていて、急に倒れることもあります。
そんな時でも誰一人ケガをしないように、慎重に慎重に作業は進められます。

建て方の指示のもと、ロープの引っ張り具合を加減します。

「おい、そこのスイセンを踏むんじゃねえぞ」

「つぶさないように気を付けろ」

「中金子のやさしいイイとこみせてやるじゃあ(笑)」

諏訪の男たちはかっこいいねえ。

こうしてこの日、いいお天気に恵まれて、4本の柱が無事に曳き倒されました。

本宮の柱は4月23日。
8:30からの神事のあと、本宮三と四の柱から開始して、本宮一の柱は氏子の手により八立神社に曳きつけられます。
見学ができるようですので、この貴重な機会をどうぞお見逃しなく。

※御柱休めは大切な神事の一つでもあります。
進行を妨げることなく、地元の消防団や氏子の指示に従い見学をお願いいたします。
また、危険を伴う場合もありますので、どうかご自身の身の安全にも十分お気をつけください。

 

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