八立神社 (諏訪市中洲)

2016.01.31 / 地域を知る / 編集部さん

はちりゅうじんじゃ、と読みます。
八龍、とも書きます。
地元の人は愛着をこめて「はちりゅうさん」と呼びます。

雪の降ったばかりの朝、もう参道は掃き清められていました。

この神社は中洲中金子地区の産土神でもありますが、ある特殊な役目を持っています。

寅年・申年ごとに行われる諏訪大社の御柱祭。
春の尾根道を延々と八ヶ岳から下り、長峰の先端で坂を落として、宮川を超え、その後里曳きと称し、前宮・本宮にそれぞれ4本ずつの巨木が建てられます。

…ね、それまで建てられていた古い御柱の行方は??

古い柱がどこかの地区に払い下げられたり、観光施設の展示物や友好都市に送られたりしてはいますが…。

そう!
誰がその古い御柱を倒しているんでしょう?

これは御柱の曳行のように各地区が責任をもって…という風にはなっていません。
それは伝統的に、この中金子地区の人の役目となっています。

山出しが終わった、4月の中旬。
現在は土・日曜日に行われることが多いようですが、 上社本宮の境内に中金子の氏子さんが集まります。
手に手に道具を持ち、 それぞれの受け持ちの御柱の根元を手作業で掘り返します。
6年間、しっかり立っていることができるように固められた根元を掘り返すのは容易のことではありません。
前宮・本宮の8本を静かに倒し、現在では本宮の4本だけが、この八立神社に運ばれます。(昔は8本すべてここへ運んだのだそうです)
道中、本宮1の柱は地元の人に曳行され、時には子供を載せたりしながら、それはそれは和やかにここへやってきます。
6年間で乾燥の進んだ柱の重さは山出し時の10分の1程度といわれ少ない人数でも運べるのだそうです。

そして、里曳きも宝殿遷座祭も終わった6月のある日。
この八立社の宮司の主催で「御柱休めの儀」とし古御柱を「木に戻す」特別な神事が行われます。
そうして、6年前に八ヶ岳の御小屋山から降ろされた御柱は、ここでやっと元の木に戻ることができるのです。

この中金子区、御柱休めのほかにも特殊な任務を持っていて、

・御柱を建てるための穴掘り
・御柱を建てたあと、倒れないようにしっかりと固定する(御柱固め)

も、彼らの役目です。

選木、伐採、抽籤、山出し、里引き…とお宮に行くまでのことがクローズアップされがちですが、今回はこちらも見に行ってみたいなあと思います。
レポートはその時に!(か)

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