鳥ぱん (諏訪市)

2020.02.19 / 地域を知る / 編集部さん

同名のコミックもあったりするのですが…は、さておき。

上諏訪は織田信長の時代から長らく、城下町として栄えていました。
武士が集まれば、武士を相手に商人が集まります。
商人が集まれば、そこには接待も生まれます。
人が集まれば文化が生まれ、上諏訪は小さいながらも江戸からやってくる文化を諏訪の中ではいち早く受け止める町でした。

そんな人々の集まりに欠かせないのが…お菓子。
ご城下には和菓子屋がいくつも生まれました。

そんな和菓子屋の中でも「鳥ぱん」を製造する丸平精良軒総本店さんは、創業は江戸時代。
そして時代の先端を見ていたハイカラなお菓子屋さんでした。
「鳥ぱん」といっても「パン」ではないです。

じゃん!
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焼き菓子です。
中身は塩の風味がほんのりきいたみっしり系こしあんです。
頭からしっぽの先まで、みっしりです。
ついてに言うと、「鳥ぱん」のロゴ、「鳥」が鳥っぽくていいですねえ。

添えられた小さなリーフレットの中には、この「鳥ぱん」のものがたりがぎっしり詰まっております。
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精良軒さんは安政2年創業。
途中で店の分裂もありましたが、今の店主・河西さんで5代目です。

鳥ぱんは2代目の治助さんが、維新真っただ中の明治3(1870)年、フランスから戻って考案したお菓子が始まりです。
諏訪湖に揺蕩う水鳥、オシドリをモデルにした西洋の最新技術と「ぱん」とネーミングされたお菓子が、新しもの好きに諏訪人の間で話題になったことは想像に難くありません。
そして菓子作り一筋に研鑽した3代目が、今の形の「鳥ぱん」を完成させました

5代目・河西さんが店舗でひとつひとつ焼く「鳥ぱん」。
明治3年のデビューから150年。
昔ながらの素朴な味わいが長く諏訪の人に愛されて、お客さんのおもてなしやお土産にも重宝されています.

最近は一人暮らしの人が増えたり、「ちょっとしたおみやげ」の需要にこたえるために、2羽入りの「鳥ぱん」が手に入るようになりました。
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包装も工夫して、より多くの人に手に取ってもらえるように、精良軒のチャレンジ精神は今も息づいています。
最近はイベントなどの出店に5代目・河西さん自らお出ましにもなります。

百貨店の和菓子バイヤーさんもこの味わいには注目。

ぜひ味わってほしい、諏訪の逸品。
上諏訪のお菓子イベントにも、他の菓子店と一緒に今年も出店されます。
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例年、上諏訪のお菓子屋さんが集まるこのイベント、お味見サイズもバラ売りもありの大サービスなイベントです。

この機会に地元の愛されお菓子、ぜひおためしくださいねー!
(ふり)

丸平精良軒総本店
長野県諏訪市小和田7-5
定休日(水)
TEL 0266-52-1522

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