初詣行脚のススメ (甲州道中&鎌倉道編)

2018.12.29 / 地域を知る / 編集部さん

お年始に地元の氏神様や諏訪大社にお参りにお出かけになる方も多いでしょう。
ごちそう食べてちょっとお腹まわりも気になっちゃうわ、というアナタ。
昔ながらの甲州道中(&鎌倉道)をたどりつつ、古社をめぐるのはいかがでしょう

諏訪湖東岸には諏訪地域の歴史を語る上で欠かせない古社がズラリ。

上諏訪駅から徒歩10分。
まずは八劔神社からスタート。
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かつては現在の高島城あたりにあった高島村の人々の氏神でもありました。
高島城築城にあたり、高島村の人と共にこの地へ。
御渡り拝観をつかさどる、諏訪信仰上も重要な神社です。

てくてく国道を渡って、坂道(または参道の247段の階段を上って)手長神社へ。
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諏訪郵便局の隣の鳥居からのぼれば247段です。

諏訪明神を助けて諏訪の地の発展に尽力したという手長さま
今は社叢が成長しかつての眺望は望めませんが、お宮のある手長丘からは眼下に諏訪湖が見えたのに違いありません。
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社殿は設計が大隅流、施工が立川流という異色の傑作。
かつての火災の痕跡を残す海老虹梁もお見逃しなく。
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手長丘を上がると、温泉寺方面に下る道になります。
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温泉寺の山門前を抜けると、ほどなく右手に児玉石神社裏へ抜ける道があります。
ここ、通ると近いよ!
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鳥居の向こうにある大きな岩が「児玉石」。
磐座信仰という古い信仰の気配をもち、湯の脇地区の鎮守でもあります。
遠山郷の霜月祭りにうたわれる神楽歌のなかにも登場する「児玉石」、なかなかの歴史を秘めているようです。
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こんな魅惑の路地がお宮周辺は入り組んでいます。
先がみえないってわくわく。

そこから歩いて5分も立たないうちに先宮神社へ。
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「鷺の宮」「先の新海社」と異名をいくつももつ、謎多きお宮。
そして、諏訪明神に降伏し、宮から出ない約束に境内への橋を架けないという、まるで建御名方命の入諏伝説をたどるような伝説。
かつては御渡りの起点当たりに位置していたこの先宮神社も並々ならぬ古社なのです。
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境内の片隅に睦まじい道祖神さま。
こちらもどうぞお見逃しなく。

ところで…こんな案内を見たらたどってみて。
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街道とは別に整備された、いわゆる古い“裏道”

時代の変遷にそのルートは一定ではなかったようですが、かつては甲州道中とほぼ並行する形で、一段高い山の中腹を通していたようです。
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味わい深い道が続きます。
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かつて道ゆく旅人も見た景色。
もっと諏訪湖も大きかった、山にはもっと木が少なかった。
もしかしたら古代の、縄文の、石器時代のひとたちも見た景色。

ここまできたら道中半分
途中の大和城址(大和御社宮司社あと)でちょっと休憩。
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こんな時はポットにお湯とフリーズドライの甘酒。
甘くてあったかくてほっとします。
お湯で溶かす前に袋の中でいくらか砕いておくと、よくとけますよ。

さてさて、ここらで上諏訪にサヨナラ。
いよいよ下諏訪地籍にはいります。
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こんな元旅館の名残もチラ見しつつ…

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思いつきではいる野良の道も魅力的。
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下諏訪町高木の津島社に来ました。
いつもは静かなお宮も、お正月は幟を上げたり御祈祷をしたりとにぎやか。
元禄7(1697)年建築の社殿は2018年に下諏訪町の指定文化財になりました。
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おっと、でたでた。
鎌倉道の案内板。

たどってみましょうぞ。
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なんてこったい。
これはまるで天に続くような道じゃあないの!(感動)

地元の人が整えたビュースポット。
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いやいや…これは絶景。
弥生~平安期の遺跡上でもあるらしく…この見晴らしは防衛拠点でもあっただろうなあとも想像します。

鎌倉道沿いには若宮様。
社殿が古くなり、急な石段上にあった社殿は下に遷されました。
石段の維持、お参りのしやすさから考えれば納得の選択です。
旧社地も大切にされていました。
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五官という意味ありげな土地の名と「若宮」。
ここも古い土地なのです。

さあさあ、ここまできたらあとひといき。
鎌倉道の案内から少し外れたヒミツの小径へ。
ここはかつて武居祝家の屋敷があったといわれる一角。
今は諏訪大社の神官の社宅になっていたりしますが、この脇を抜ける石垣と石畳のみごとなこと。
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秋宮の社叢をめざして…
到着。

年始の門前の賑わいはなかなか。
せっかくのお越しですので、お宮に新年のご挨拶もおわすれなく。

意外に近い全行程は約2時間、のんびりしても3時間。
里山トレッキングくらいのお仕度で安心です。
風の強いときは防風用にジャケットもお持ちください。

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ひといきついたらお帰りは下諏訪駅からどうぞー。


(ふり)

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