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早春の草原さんぽ(霧ヶ峰高原)
里では例年よりひとあし早くサクラが咲いて、春爛漫。
待ちわびた陽の明るさ暖かさ。
御渡りの厳寒期を越えた諏訪人にはヨロコビひとしおです。
久しぶりに霧ヶ峰へ足を運んでみました。
まず八島ヶ原湿原へ。
雪解けは進んだものの、枯草色の草原。
鷲ヶ峰の頂上付近には霧氷も見えます。
でも日差しは暖かくて、吹く風も真冬の刺さるような冷たさはもうありません。
ヒレンジャクが群れを成し、北へ向かう旅へ出発。
入れ替わるようにノビタキがやってきていました。
遠くでキジの雄が縄張りを主張する声。
ぞくぞくと春の気配が、押し寄せるようにやってくる時期です。
車山湿原ではレンゲツツジがまだ赤い外套をガッチリかぶっていました。
この鎧のような鱗のようなものはに覆われた部分を芽鱗といいます。
冷たい風や雪や氷から大事な芽を守り、6月上旬ころ、こぼれるように一気に葉やつぼみを出します。
かすかですが、でも確実に、足元でも植物たちが動き出しています。
これはシシウド。
ひと夏で大人の男性の背丈を超えるほどに成長し、小さな白い花が密集した傘のような花を咲かせます。
春はこんなに小さな芽生え。
ひとシーズンでこれほど大きく成長するなら、それまでに蓄えたエネルギーで、他の草が伸びないうちに自分が伸びなくちゃ!という生き方なのかもしれません。
これからあれよあれよと景色が変わっていく、草原。
春夏秋は本当に駆けるように過ぎ去っていってしまいます。
こんな風に桃源郷のようになるのに、あとわずかひと月半なのです。
※ズミ 開花は5月下旬~6月上旬ころ。
(ふり)