大熊城跡 (諏訪市湖南)
一か月前に
「諏訪湖の全面結氷」
とか
「御神渡りだ!」
とか、連日のように地元紙が報じていたのが嘘のように…
一気にあたたかい春になりました。
フクジュソウがおてんとさまの金色をもらったような眩しさ。
エネルギーはちきれんばかりに、メいっぱい花を広げています。
ミツバチたちも活動を開始しているようです。
サテ。
ここは諏訪大社上社本宮から歩いて20分ほどの高台。
台地上に張り出した丘の上です。
とにかく景色が良いのです。
北側の望めば、諏訪盆地が開けます。
諏訪湖の向こうに遠くの山は三ツ峰とか美ヶ原。
北アルプスも見えます。
で、東側には八ヶ岳とその山麓
眺望は抜群です。
現在は「大熊のフクジュソウ」として、春にはたくさんの人が楽しみに訪れるこの場所は、戦国時代には諏訪上社の重要な防衛拠点のひとつでした。
15世紀には諏訪上社大祝の配下であった千野氏が居館として利用し、この大熊城は諏訪盆地の西縁部に位置する干沢城(茅野市、上社前宮近く)、武居城(茅野市、上社本宮近く)、有賀城(諏訪市。有賀峠付近)、小坂城(岡谷市、小坂観音院近く)とともに、上社方を守る山城として機能していたようです。
当時下社大祝の金刺一族と対立していた上社方はこの争いに勝利を収めましたが、16世紀半ばに諏訪に侵攻してきた武田氏により落城します。
今はご子孫が建てた石祠が、城跡を見守ります。
春のうららのフクジュソウ。
かつての戦の歴史が嘘のように、でもそれを雄弁に物語る廓のかたちを彩ります。
フクジュソウは4月上旬ころまで楽しめます。
(ふり)
※駐車場数台分あり。
譲り合ってお使いください。
私有地につき、土手を崩したり畑に入らないようにおねがいします。