旅するちょうちょ
2017.08.01 / 地域を知る / 編集部さん
霧ヶ峰ではニッコウキスゲの花も終わり、草原は真夏の花から秋の花へ。
目まぐるしく変わっていきます。
見物のお客さんもひと段落。
我が物顔で散策をしていると…時々出会う、手のひらほどの大きなチョウ。
…いた。
ヨツバヒヨドリの花にとまって、お食事中です。
別のシーンでもうちょっと大きく…
アサギマダラ、と言います。
翅の薄い青色、つまりあさぎ色が印象的です。
生き物に興味のある人なら、このチョウの名前を一度くらいは聞いたことがあるでしょう。
ふわりふわりと優雅に飛翔する姿は幻想的です。
高原ではヨツバヒヨドリ、里ではフジバカマで食事してるところを見かけることが多いです。
このチョウ、じつは渡りをするのです。
春、里山でも見かけるアサギマダラはなんと台湾や沖縄、奄美諸島あたりからやってきます。
そして夏、高原で卵を産みます。
卵を産み付ける草は決まっていて、このあたりではイケマをよく見かけますね。
ちょっと花の数がさみしいけどイケマ。
この葉の裏に産み付けるようです。
そして、成虫になったアサギマダラは、また南へ渡っていきます。
チョウとしては大きいとはいえ、このちいさな体のどこに、海を渡り山を越え、時には1500kmを旅するという力があるのでしょうかねえ。
なぜ、大きな危険を冒してまで渡りをするのかはまだ分かっていません
優雅な姿からは想像できない意外な一面があります。
(ふり)