「上諏訪温泉ものがたり」(諏訪市)

2017.05.20 / 地域を知る / 編集部さん

上諏訪は温泉地というのは古くから知られていたようです。
今の上諏訪駅の東側の一帯では温泉で変色した縄文時代の土器片が出土したり、江戸時代に記された「諏訪かのこ」という書物(諏訪地域のガイドブックみたいなかんじ)にはこんな風に紹介されていたりします。

「湯の出るところ三十ヶ所ほど。用るところ十ヶ所に余る。湖水の内にもあなたこなたの湯涌く所あり。その所は氷合ずと也。田の中にも爰(ここ)かしこに出る。甲斐の宗匠滿潮。片羽の馬場に來り。田の中より湯息たつをみて
こほれ湯や青田をわたる薄煙」

あちこちから湯気が立つ様子がうたわれています。

“上諏訪の共同浴場数は別府に次いで日本第2位”と言われていますが、諏訪市内で現在ある70余りの共同湯のうちほとんどが「ジモ専(地元民専用)」と俗称されるいわゆる組合員専用。
一般の人が入れる温泉は数限られています。

映画「テルマエロマエⅡ」のロケ地になったここもジモ専。
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小和田地区 湯小路 平湯
建物は1921年。現役の共同湯の建築としてももはや文化財級と言っても過言ではありません。
あー、でもジモ専なのねん。

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小和田地区 北小路 喜多の湯
湯気抜き用の立派な越し屋根をもったこれも共同湯。
(ウワサによると「イイ浴室」という…。)
でもねー…これもジモ専なんです。

手が届かないとなれば、ますますミリョクテキ。

そんなアレコレを掘り出した企画展が、諏訪市博物館で始まりました。
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縄文時代から、ついこの間3月に閉湯した精進湯まで、史料を駆使した学芸員さん渾身の企画展!
土器から始まり、昔の旅館のパンフレットや腰砕けな上諏訪温泉土産まで、よくぞここまで展示しましたというお宝の数々がズラリと並びます。

注目は…展示室直前に展示された、透明な赤みを帯びた長さ50cmほどの円筒形の結晶体…。
私たちがほとんど目にすることのないレアな逸品です。

なんと5月27日には上諏訪温泉を歩いて巡るまちあるき企画もあります。
こちらは5月20日時点でまだ定員にいくらか空きがあるとのこと。
予約が必要なので、ご興味ある方はどうぞお早めに。

◆「上諏訪温泉ゆかりの史跡を歩こう!」
江戸時代から知られた「上諏訪四湯」や町のあちこちにある温泉施設を歩いてめぐります。
※入浴はしません
日 時 5月27日(土)9:00~12:00
コース 小和田地区→精進湯跡→虫湯跡→湯の脇地区→高島城
定 員 20名
参加費 無料
申 込 4月29日(土・祝)より電話にて(0266-52-7080)

で、さすが諏訪市の博物館なんだわ。
イイカンジに足湯(もちろん無料!)があったりするのよ。
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ややアツなので、長湯はお気をつけなして。
(ふりはた)

諏訪市博物館

〒392-0015 長野県 諏訪市 中洲 171-2(諏訪大社上社本宮近く)
TEL 0266-52-7080

入 館 料  一般300円、小中学生150円    
開館時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休 館 日  月曜日、祝日の翌日、 年末年始(正月は1/1から臨時開館)

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