いのめ 

2017.03.31 / 地域を知る / 編集部さん

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ここは諏訪大社上社本宮の境内。
東参道の鳥居をくぐって右側、神馬舎の手前にあります。

…ほおおっ♡ハート形が!

なぜ神社に、しかも古社中の古社、諏訪大社境内にハート形!

実はこれ、織田信長の軍勢が諏訪にやってきて本宮を焼き払い、法華寺に信長が陣取った天正10(1582)年、織田軍に同行したイエズス会の宣教師が、世の平安を祈って寄進したもの…ではありません。
悪しからず。

よく見るとこのハート形、あちこちの神社でも見られます。

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上社前宮の灯籠

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同じく前宮。
十間廊と内御霊殿の金物。

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おっと。
こんなところにも。
神長官守矢史料館の守矢家門扉の金具。

ハート形…なんですけど、これ、古くから使われた文様のひとつです。
平安時代ころから、仏具とか馬具、神社や寺院に使われ、魔除けとしてあしらわれていたのだそう。

この文様は「いのめ」と呼ばれます。
「ゐのめ」「猪の目」と書くこともあり、イノシシの目とその周りも形をとったものといわれています。
多産であるイノシシの力をもらって子孫繁栄を願う気持ちもあるのかもしれません。
ハートを逆さにしたものもあります。

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ちょっと変形していますが、これも「いのめ」の一種としてよいかも。
(上社前宮内御霊殿社)

身近なお寺や神社、旧家など以外によく取り入れられています。
建物を楽しむヒントとして、「ハート形」いえいえ「いのめ」、ご注目くださいませ
(ふり)

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