蟹河原 (茅野市ちの横内)

2017.02.26 / 地域を知る / 編集部さん

JR茅野駅の西側、ちょうど横内と呼ばれている地区には崖に面している一角があります。

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崖の西側からは4階建ての建物。(でも東側に回ると平屋や2階建てに見えたりします。)
崖の段差を利用してつくられた住宅や商店です。
7~8メートルほどのこの大きな段差は実は断層です。
茅野断層と呼ばれ、フォッサマグナの東縁にあたる部分がこの場所に現れているのです。
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これだけはっきり見られる場所はなかなかありません。

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崖の下からきれいな水が湧き出します。
バイカモをはじめとした水温の低いところを好む水草が繁茂します。
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私は出会ったことがありませんが、サワガニも暮らしているようです。
この一帯を「蟹河原(がにがわら)」と呼び、縄文期の遺跡もあります。
そして稲作が始まる前からここには「蟹河原の長者」と呼ばれている有力な一族がいたようです。

その「蟹河原の長者」の一族は今もこの土地に暮らしているようです。
彼らが奉じるのはこちらの神様。
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大矢嶋氏が祀る大天白社。
彼らが言うには、「大矢嶋氏の祖は蟹河原の長者で大天白社の総本家」で、横内地区の産土神「達屋酢蔵社の神官」を代々つとめた一族なのだそうです。

断層の隙間から漏れ出る水の豊かなこの場所で、古代から人が暮らしていたのはどうやら事実のようです。

ところで、この横内地区には「横内菜(よこうちな)」と呼ばれる、自家用のみで栽培されているアブラナ科の葉野菜があります。
ちょうどつぼみがついて春を待ちわびていました。

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もしかしてこの横内菜も、ふるいふるい昔から蟹河原の長者の子孫たちとこの土地で歩みつづけてきたのかもしれません。
(ふり)

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