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<小宮祭レポート>手長神社 (諏訪市)
「上諏訪の衆は夜祭りが得意だで」といわれるのは、これが所以なのかと思うほど。
上諏訪駅から徒歩10分ほど。
丘の上に手長神社というお宮があります。
ここも、諏訪地域のお宮らしく御柱祭があります。
この手長神社の御柱祭の最大の特徴は、なんといってもこの234段の石段を引き上げること!
遥か下に御柱があるんです。
手長神社の御柱は「山出し」で角間新田地区の胡桃沢から山を下り、県道を経て岡村地区内を通り旧道から国道20号線を通って赤羽根地区へ。
赤羽根地区で1週間お休みされたあとに「里曳き」。
今度は上諏訪方面へ取って返し、国道20号線でJR中央東線の通称「大踏切」を渡り、ひと晩中浜町でお休みします。
翌日は大手町を通過、末広町で再度JRの踏切を渡り参道入り口の石段の下へ曳きつけます。
そして…なんと。
どの柱も2時間近く夕食休憩を取ります。
早ク曳行再開スレバ、早ク帰レルノニ…
というのは愚問。
上諏訪には上諏訪の流儀あり。
これこそ「魅せ場」なのです。
薄暗くなったころ、提灯を灯し、
「あら よいてーこしょ!」
「ヨイサ!」
と、氏子衆が息を合わせ、大きな柱を曳きあげます。
柱には上社の御柱のメドデコと似たような「大梃子(おおでこ)」が取り付けられ、氏子衆が乗り音頭を取ります。
この長い石段を綱にとりついた氏子衆が汗をびっしょりかき、息を弾ませながら御柱を曳くのです。
そして難関、二の鳥居。
大梃子をつけて氏子を載せたまま通過します。
大梃子に取り付けた綱(上社側でいえばメド綱)で柱を左右に傾けながら、止まらずに通過したら拍手喝采。
ここは腕の見せ所。
盛り上がりも最高潮。
さすが上諏訪!
そうしてすべての柱が境内に曳きつけたのは日付を越えたころ。
熱冷めやらぬ夜を上諏訪の氏子衆は過ごしたのでした。