七社明神社御柱祭 (茅野市玉川)

2016.06.30 / 地域を知る / 編集部さん

小宮の御柱祭があちこちで始まっています。
秋に行うところも多いですが、秋は収穫の季節でもあります。
農家さんの多い地区は、「待った!」の利かない収穫作業と御柱祭が重なるとてんやわんやになるので、大社の御柱祭も済んで田植えも終わり、ひと段落したこの時期に行う地区も多いのです。

玉川神之原(かみのはら)区の産土様、七社明神社(しちしゃみょうじんしゃ)の御柱祭もこの6月26日に行われました。

神之原はかつて「原」とか「上之原」とあらわされ、諏訪地域内でも有数の古い村のひとつ。
御柱を伐りだす御小屋山の管理を一手に任されていた山作衆が暮らします。
この山作衆、他にも御柱祭では特別な役割を持ちます。
御柱となるご神木の見立てから伐採、上社里曳きでは「御柱迎え」に使われるお舟の制作や建御柱の際の七五三巻の神事…などに登場します。
先出の中金子村八立神社の氏子衆が、御柱を建てたあとから休めるまでの、つまり御柱の終期について担う役割と対照的に、神之原の山作衆は選木から建てるまで、いわば始まりの部分を担うのです。
この対照は興味深いことと思います。(いずれまた。)

その山作衆がいることで与えられた特権なのでしょうか。
七社明神社の御柱は、上社の御柱御用材の上のほう、つまり御柱に仕立てたあと残される上の部分をいただくのです。

休められた古御柱。
名称も、独特です。
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ほかにお宮もないのに「本一」とかって…。

今回の七社明神社でいただいた御柱の由来は

七社明神社本一 ←前宮三の柱
同  本二 ←本宮二の柱
同  本三 ←本宮三の柱
同  本四 ←前宮二の柱
なのだそうです。
本宮一、前宮一の柱からはもらわないのだそうです(だってその分上社の柱が短くなってしまうから…)

前日に木造りをし、今日は里曳と建御柱。
いつもは人影のないような境内に、地区の人がわんさかと集まっていました。
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本殿裏では三と四の柱が冠落としの真っ最中。
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最後の一振り!
小さな規模ではありますが、技術は超一流。
さすが山作衆の住まう村。
こんな様子が間近で見られることも小宮の御柱祭のウレシイところです。

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建御柱も晴れやかに。
幼馴染の○○ちゃんの弟がてっぺんに!
なんていう身近な人の活躍もウレシイ小宮の御柱祭です。

6月下旬のこの時期、「甘酒祭り」と呼ばれている例祭を執り行い、区民に甘酒がふるまわれるほかに本殿の特別公開を行います。
…が、御柱年は七社明神社の御柱祭とあわせて行うことが慣例のため、今年は本殿の特別公開がなく(T_T)、奉告祭と合わせて神事が行われました。
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拝殿で神事が行われるなか、両サイドには建御柱が済んで撤収作業が始まる一と二の柱、本殿の後ろでは建てている真っ最虫で木遣りとラッパが響く三と四の柱。
そして境内では早くも直会を始める区民や子供たちのにぎやかな声。
やんややんやと境内が賑やかに盛り上がる中、粛々と滞りなく神事は行われ、区民には例年通りこってりとした甘酒がふるまわれました。

来年はいつものように本殿の特別公開があるはず。
本殿にびっしりと埋めつくすように、大隅流・伊藤(柴宮)長左衛門の見事な彫刻が施されています。
来年もどうぞオタノシミに!
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