上原城址 (茅野市上原)

2016.01.18 / 地域を知る / 編集部さん

今年のNHK大河ドラマ「真田丸」、見てますか?
見てますよねっ?
第一話「船出」、ご覧になりましたか?
ご覧になりましたよねっ?

そう、見逃してはならないワンシーン。

なんと登場「諏訪 上原城」(冒頭6分25秒あたりののシーンですよ)。

武田勝頼の背後に「諏訪上下大明神」の軸があることも、武田家の諏訪神社への信仰の厚さをうかがわせるシーンであるというものです。
ふむふむ。

上原城は現在の茅野市上原地区、永明寺山の西側にある金毘羅山にある山城です。
江戸時代のように藩主が居住し政治を行うことを目的とするのではなく、中世に戦いの拠点や見張り台として用いられることが多かった城の形態です。
立派な城郭はなく、自然の地形を利用し、見晴らしの良いところに置かれました。

画像は江川橋からみた上原城址(赤マルのところ)

“真田丸に登場記念”で、行ってみました。

上原城址は頼岳寺の南側の小路から案内板に沿って行くと迷わずたどり着けます。
山道でカーブが多く狭いので、マイクロバスクラスになるとNGです。

上原城は金毘羅山山頂の城と中腹にある諏訪氏居館とセットで扱われます。
築城した諏訪氏は諏訪神社大祝の血を引く一族。
つまり祭礼と政治をつかさどる者が同じ一族だったのです。
築城の年代は15世紀中ごろとされ、16世紀に岡村政庁(現諏訪市岡村)にその機能が移されるまで諏訪地方の政治や文化の中心地でした。
城下は賑わい、今の国道20号線を貫くように「遊女小路」「鍛冶小路」などの小路が通り、「上原五山」と総称される5つの寺がありました。
小路の名前は現在でも残っており、上原地区内の隣組は今もこの小路を基本に構成されています。

さて、山道をあがって城跡へ。
自動車は入り口近くに停められます。


 わりと平坦なので、スニーカーくらいでOKです。

廓の遺構沿いには石仏がいくつも建ち並びます。


千手観音と十一面観音が多いようでした。

歩道の行きつく先は金毘羅神社と大きな岩。

一瞬、ヤマドリがいるかと見まごう様な彫刻。
豪華ではありませんが、彫刻は見事です。
そして、この金毘羅さん、本殿は背後にしょった岩の中…?


そして抜群なのは、この眺望。


画像右から、前宮(かつての大祝の居館)、神長官屋敷、武居城、守屋山、本宮、大熊城はひとめに。
眼下には上原の城下町、上川、宮川。
そして樹木が繁茂していなければ、諏訪湖も富士見方面も、遠くまで見えたことでしょう。

そして、さらに見晴らしのイイ「物見岩」
高さは…私の身長の4倍くらいはありそーな…

花崗岩でできています。
ここにのぼればさらに良く見えたことでしょうねえ。
さあ、いよいよ主郭へ。

主郭は…

何にもなくて、平らなところでした。
かつてここは、数々の歴史の舞台になり、目を閉じればあの時代あの時のことをよみがえらせる装置になる。
中世の諏訪は、今でも実態がわからないことが多くて、何人もの研究者がいろんな史料を突き合わせて調べているところ。

ヒトやモノの流れも複雑に、社会の仕組みが変わり始める時代に、ここで生き抜いた人に思いをはせて。
どうかじっくり時間をかけて、何回も訪れてみてほしい場所です。(か)

※冬季は積雪などにより、道路状況が悪くなります。
お気をつけて運転などをお願いいたします。

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