ごんさの思ひ出絵巻

2015.07.21 / 地域を知る / 編集部さん

「ごんさ」というのはその人の愛称で、彼の本当の名前は「権六(ごんろく)」といいます。
大正2年に諏訪市清水町で植木職人の家に生まれました。

権六、というからには兄弟姉妹の6番目か六男坊なのでしょう。
ごんさの家には大勢の家族が暮らしていたに違いありません。

やがてごんさは東京へ出て、帽子屋に勤めます。
ごんさのお子さん方もよくご存じではなかったようですが、終戦ごろ諏訪に戻り植木職人を始めたようでした。

そんなごんさが年を重ねて、時代は昭和から平成に移り変わるころ。

ごんさはサインペンを使って、自分が生まれ育った大正末期から昭和初期の上諏訪のまちなみを思い出しながら絵巻物を描き始めました。

わかっているだけで13巻、他にも色紙に50枚以上。
諏訪のまちなみや風物を描き、時には気前よく知り合いにプレゼントしたりしていた様子で、実際にごんさの作品がどれだけあるかはわかりません。

ごんさはそれは細かく屋根瓦の一枚一枚を、時には人の暮らしや芝居の舞台の一場面を描きました。
特に自身が植木屋だったせいか、街なかの樹木についての描きこみは、時には盆栽までしっかり描いています。

そんなごんさの作品は、思い出して描いてある部分が大きく、時代の考証としての価値は残念ながらそんなに高くありません 。
しかし、人々のくらしや絵巻物のところどころに書き加えられたごんさのコメントは、当時の上諏訪の賑わいを映すものとして、またごんさの人柄を伝えるには十分なものです。

そのごんさの描いた絵巻物、通称「思ひ出絵巻」の展示が上諏訪駅前商店街の「すわまちくらぶ」 では始まりました。
ただ、あまりにも巻数が多いため、今回は6巻分。
残りはまた次の機会に展示予定です。

今回は「すわまちくらぶ」開設の1周年記念の企画展ということもあり、お祝いの人で…いっぱい。

ごんさの作品を解説する建築士の五味さん。


「俺は平成のごんさになる!」…ってほんとですか?

会期 2015年7月20日(月・祝)~8月10日
会場 上諏訪駅前商店街「すわまちくらぶ」(三村貴金属店となり)
住所 諏訪市諏訪1-5-19
電話 0266-55-1029
開館時間 11:00~16:00
定休日 毎週水曜日

なお、下記の通り、記念イベントもあります。
締め切りが近いですので、ご希望の方はお早めにお申込みください 。

ちなみにこれは、今の三村貴金属店あたりの様子。

残念ながらここに描かれている建物は大正14年4月に火事でほとんど燃えてしまいました。
その後、再建されたのがいまの「看板建築」という様式の建物です。
上諏訪駅前の看板建築群はこうした事情があって同時期に西洋風の様式が取り入れられて生まれたものだったのです。

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すわまちくらぶfeat.スワらしきまちあるき 植木屋ごんさの思ひ出絵巻【駅前~鍵の手編】

今の諏訪市清水に生まれた植木職人の「ごんさ」。
かつて自身が活躍した大正末期から昭和初期の上諏訪の街並みを思い出して、10巻以上にものぼる絵巻物をコツコツと描きました。

ごんさの見た景色をたどりつつ、街並みの変化を楽しむ地図あそびです。

・開催日 2015年8月2日(日)午前8:00~10:00【要申込み】

・集合:すわまちくらぶ(三村貴金属店となり)午前8:00 小雨決行

 <持ち物> 帽子&日焼け止め、飲み物 ※熱中症対策を十分にお願いします
<定員10名> <参加費500円、資料代別途1000円を予定 当日徴収 ※フルカラーの絵巻物>

 申し込み先 すわまちくらぶ

  (か)

 

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