旧山一林組事務所と岡谷絹工房(岡谷市)

2019.11.23 / 地域を知る / 編集部さん

かつて世界一の生糸の産地としてその名を世界中にとどろかせていたという岡谷。
産業構造が変わって、生糸の生産はわずかになりましたが、往時を垣間見ることのできる建物は市内にいくつも残っています。

そのうちのひとつ、旧山一林組事務所は、岡谷市の中心市街地にあります。
重厚なレンガタイルの建物です。
そう、レンガ造りに見えますが実は木造です。
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この建物と道路を挟んだ向かい側にも一軒立派な住宅があります。
屋根瓦に「ヤマイチ」の印があります。
これは創業者、林家の本宅です。
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門扉までの階段も半円形で凝っていますね。

サテ、見学。
ガラスの入った厚いドアをゆっくりと開けて…

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かつての事務所受付として使われた名残のカウンター。
一枚板ですぞ!素晴らしい!

中には何人もの人と、機織り機がたくさん。

現在ここは「岡谷絹工房」として、生糸をつかった織物の生産をしている工房になっているのです。
そして訪問した当日、なんと「アトリエオープンデー」を開催中。
コースターをつくらせていただけることになりました。

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見たことはいっぱいあるけど、触るのは初めての機織り機。
すでにたて糸がセットされています。

あのう…わたし初めてなんですけど…うまくできるかなあ

「だいじょうぶですよー、カンタンカンタン。あちらの方なんて今日来て2時間でマフラーお作りになれましたからねえ。たて糸、これがかかったのがあるけど、この色でもいいかしら」

もちろんもちろん。
青も黄色もすきですよー
(でもでも特別ぶきっちょなわたし、ちょっと不安かも…)

デザインをキメるのは横糸。
好みの色を選べます。

いくつかよさそうな色を提案いただいて、ちょっとだけ黄色がかった、真ん中の糸にしました。
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手順は

・横糸をとおして、糸を引いて軽くしめる
・筬(おさ:トントン、てするやつ)で横糸を手前に寄せて、踏木を踏みかえる
・2回ほどトントンする
・横糸を通す…

の繰り返しです。
(通して、引いて、トン、踏みかえて、トントン、通して…)
と、ブツブツ繰り返しながら…

「あら、上手じゃないですか。端もきれいだし」

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え、あ、そうですか!
よかった、ありがとうございます!(おお、ワタシ向いてるかもしれない)
コースターに程よいサイズまで織ると、工房の方が織り機から外してくださいます。

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わあ、初めて自分で織った布!
うれしい!

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今度はマフラーとかやってみたいなあ。

岡谷絹工房さんではショールームも併設していて、ちょうどオープンデーの見学に来た岡谷市長の今井さんがネクタイをお選びになっていました。
バッグやストール、ネクタイなどの作品の購入をすることができます。

製品にした際の切れ端や残り糸がどうしてもできてしまい、メンバーのみなさんは処分するのに心を痛めていたようですが、最近岡谷市内の作家さんが端切れを利用して作品を作るようになりました。
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ちょっと風変わりな表情や形。
個性的な色づかい。
nuno*ito asobiの高倉さんの手で生まれ変わってまた人の手に渡ります。

アトリエオープンデーは今週末で終了ですが、ショールームを見学したり、予約制で機織り体験はできます。
(ふり)

岡谷絹工房
開館時間:毎週火・土・日の9:00~16:00
電話番号:0266-24-2245
※見学体験は要予約

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