「ワンダフルジャーニー」縄文人に会いにゆく旅へ (八ヶ岳西南麓)

2019.07.15 / 地域を知る / 編集部さん

八ヶ岳山麓から諏訪湖にかけて、縄文時代の遺跡が数多くあります。
それも立派な装飾の土器が多数。
諏訪地域の博物館や考古資料館にはあたかもありふれたもののように、凝った装飾の土器、しかも大型のものもたくさんあります。
そして2体の国宝の「土偶」。
豊かな出土品の数々は、この地方でいかに人の活動が活発であったのかを物語ります。

今年も八ヶ岳西南麓の3館、「八ヶ岳美術館」(原村)、「井戸尻考古館」(富士見町)、「北杜市考古資料館」(山梨県北杜市)がタッグを組んで企画展を始めました。

県境すら越えて、タッグを組むなんてステキ。
いやいや、そもそも県境は後の世のヒトが作ったもの。
そもそも一連の文化圏なのだから、手を取り合い地域の成り立ちを発信する素晴らしい企画です。

まずは北杜市へ。
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金生遺跡にほど近く、逸見氏が築城したという八戸城址の北側(もっというなら、「ひまわり市場」とか「谷櫻」の近く♡)に、北杜市の中世までの歴史をコンパクトに収めた「北杜市考古資料館」。

今回は「土器につけられた顔」をテーマに展示です。
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「顔面把手付土器」と表現されることの多い土器です。
大きく丸く膨らんだ土器の形を妊婦や母胎に見立てたも言われます。
生と死は裏表。
今よりも想像できないほど生まれにくく死にやすい時代であったことは、土器を見る際にあたまに置いておく必要があります。
ロビーには大型の土器も展示。
大人もすっぽり入れそうな見事な大きな土器です。
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ここから車で30分ほど。

富士見町の井戸尻遺跡へ。
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もともと遺跡の保存会が母体となって設立。
昭和40年にまちの教育委員会に移管したという異例の経歴を持つ館です。
受付では、音声ガイドを無料で貸してくれます。
こってりとした解説を聞きながら、館を回れるので、井戸尻初心者はぜひ借りましょう。
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この熱の高さが井戸尻考古館の素晴らしいところ!

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展示物の中にはQRコードのついたものがあります。
お手持ちのスマホで読むと、専用サイトが開いて解説を見ることができます。
これは日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」に構成される文化財についています。
井戸尻だけではなくて、長野・山梨県の17の施設で同じ仕組みを利用しています。

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「井戸尻最中」でおなじみの水煙渦巻文深鉢(長野県宝)とか
「蛙文・みずち文深鉢」(同)もばっちりです。
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「ワンダフルジャーニー」企画展示は展示室の一角に。
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昨年、東京国立博物館で行われた「縄文展」にも出張していた「神像筒型土器」(国重要文化財)も展示されます。

 

例によって、3館回ると次回来館時にそれぞれの館から特製缶バッジをいただけるとゆー特典付きです。
私はあと1館だ、うふふふ。
(ふり)
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