遷座祭【後編】 (諏訪郡下諏訪町)

2019.02.11 / 地域を知る / 編集部さん

秋宮を出発した遷座行列は、正面の八幡坂(大社通り)を下ります。
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神職を先頭に薙鎌、幟…などなど。
大小の御正台のあとに、神さまがお乗りになった御輿が続きます。

ここは国道142号線、先には国道20号線との合流地点がありますが、片側通行止めにして行列は粛々と続きます。
途中、国道を外れて、魁町(さきがけちょう)へ。
夏のお舟祭りを同じ道を戻る形で、春宮に向かいます。

春宮大門の大鳥居をくぐり、道中の難所ともいわれる、下馬橋。
太鼓橋のように急なRを持つ木製の橋です。
ここを通過するのは、御輿と担ぎ手の白丁たちだけ。
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お互いに声を掛け合いながら、大事に大事に橋を渡ります。
(みんなどきどきしながら見守っています…わたしもどきどき…)
ここを抜けると、春宮まであとほんの少しです。
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そして春宮につくと、秋宮を出た時と同じように、神楽殿を通過して幣拝殿の内側へ向かいます。

が…春宮は秋宮に比べていくらか小ぶりに作られています。
神楽殿は秋宮のそれに比べるとコンパクトです。
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床の高い秋宮の階段の昇降よりは幾分かイイのかもしれませんが、開口部が…ちょっと狭い…
ここも息を合わせて通過します。

いよいよ春宮幣拝殿へ。
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大勢の人にお出迎えで、神さまご無事のお着きです。
お役目を終えた白丁たちは境内で、神事を見届けます。

春宮西宝殿前についた御輿は、「入御(にゅうぎょ)の儀」を行います。
左片拝殿のむこうで神職たちが白布で御輿を隠し、警蹕の流れる中、出御の時とは逆の順番で(つまり第一御霊代が一番先に)西宝殿にお入りになります。

すべてのご神宝が西宝殿にお入りになったののち「楊柳の玉串」(ヤナギの枝でつくった玉串)を100本捧げます。
このヤナギの枝は季節のもの。
川のほとりに自生し、この時期には綿毛が密生したように芽吹く頃なのです。
この遷座祭に限らず、諏訪大社の年中行事には季節の植物を玉串に使う様子が見られます。

一連の神事の終了まで1時間半ほど。
新雪が風に舞い飛び、まるで綿が降るようななか、つつがなく遷座祭はお納めとなりました。
(ふり)

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