NPO法人サポートC 事務局長 小池真紀さんインタビュー「市民密着の文化芸術活動」(茅野市)【後編】

2017.12.22 / 人・団体・インタビュー / 編集部さん

「美遊com.」は、たくさんの方が美術館へ来てもらえるような活動が中心ですが、最近では逆に美術館を飛び出して、美術館サポーターとして地元小学校に出向くこともあります。学校の方から声をかけてもらえるようになったんですよ。サポーターさんは素人ながら、学校の子どもたちに楽しんでもらえるよう事前事後の準備を本当に一所懸命行っています。本当に感心して頭が下がる思いです。

「JOYんと」では、劇場がもっと身近なものになるように茅野商工会議所主催の「まちゼミ」で「マルチホールの劇場としてのおもしろさを体験してもらうための講座」を開催し、劇場が鑑賞するためだけに行く場所ではない楽しみ方を伝えています。
そして、ともにステージを作り上げることを目指して動き始めています。

「こみゅっと」は、今年の「クリスマスデコレーション」を飾ったばかり。これをするにも、サンタのそりってどんな風だっけ?これくらいの高さのツリーをつくるにはどのくらいの強度がいるの?という、自分たちのアイデアを形にするためにはどうしたらいいのかがわからなかったりするんだけど、そうしたアイデアをプロからアドバイスをもらったりしながら、企画を立てるところから現場まで自分たちで取り組んでいるんですよ。

◎ 2017クリスマスデコレーション
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サンタさん

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クリスマスツリー

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夜のライトアップ

「ネコの手」のサポーターさんたちは、単純で簡単だけど、誰かがやってくれないと困る作業をやってくれる方たち。特別クリエイティブなことに関われなくても、空いている時間に短冊を作ってくれたり、郵便の発送のお手伝いをしに来てくれたりと、ちょっと時間があきました、少しだけ顔だしに来ましたという方たちが、初めましてといいながら同じテーブルで雑談しながらの単純作業をやってくれています。

ー 本当にいろいろありますね。そのなかでもネコの手の活動が気になりました。何かしたいけど、わからないという方が、ちょっとしたことから参加できる、この敷居の低さというのは間口がとても広く感じます。
最初の関わるきっかけは小さなことからかもしれないですね。本当に市民のサポーターだと思います。

「人を支えることが、文化を支えるってことだと思うんです。」

ー 本当にそう思います。

やっていてよかったなと思うこと

「とにかく、いろいろな人に出会えることがよかったなと思う。知らないことを教えてくださることも多いし、また茅野市民館やサポートCでの活動にかかわったことで、変わっていく人をみるのが本当に嬉しい。それは豊かになっていっているということだから。」

ー こうした活動を通して変わって行く人がいる。それだけで文化芸術活動のちからってすごいなと感じます。

これからどのようなことをやっていく予定ですか?

始めた当初は鑑賞の企画が主でしたが、この10年の間は、次第に、人を育てる、表現者の活動を支えるというものが多くなっていました。今後はまた原点に戻って鑑賞の機会をもう少し増やして行くこと、文化芸術への入り口を多様にしていくことをしていきたいです。
現在、茅野市民館が行っている、市内の小学4年生を対象にした年に一度の芸術鑑賞への招待は、市民への鑑賞の機会としてこれからも続けて欲しいと思っていますし、サポートCでも以前やっていたロビーライブのようなことをまた企画していきたいです。

それに、市民の「足りない」「こうしたらいい」をいう声を丁寧に拾っていきたい。茅野市民館よりも市民の方に近い分、それができる立場をもっと活かせると思うんです。
サポートCがやることって、「文化芸術活動をとおした街づくりのために、いま必要とされていることをいま助けてやっていくこと」だと思っています。
会の運営をしたり、催しを形にしたり、市民のアイデアを形にすることをサポートし、それに関わったサポーターさんが自ら文化芸術活動を身につける。そういう市民が増えると地域が豊かになると思うんです。

ー 素晴らしいですね。さまざまな方たちのサポーターとして今後の活動がますます楽しみです。
本日は本当にありがとうございました。

事務局長の小池さんからは何度も「文化芸術活動を通して」「地域が豊かになる」という言葉をお聞きしました。市民が主体的にやりたいと思うことを手助けすることで、その人のなかの創造性が広がり、文化芸術活動が身近なものになる。そうした人が増えて町に飛び出せば地域に広がって行く、文化芸術活動が特別な人だけのものじゃなく、誰にでも身近なものにできるものだと感じることができました。(編集部)

茅野市民館での様々な活動、サポートCが気になった方は、ぜひ事務局へ遊びに行ってみてください。

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