紅葉とお大根(諏訪市)

2017.11.07 / 地域を知る / 編集部さん

諏訪市湯の脇の温泉寺では、毎年恒例の庭園ライトアップが始まりました。

温泉寺は江戸時代に諏訪地域一円を治めていた高島藩藩主の菩提寺でもあります。
温泉寺にある高島藩主諏訪家墓所は同じく初代藩主の墓所がある頼岳寺(茅野市)と共に、今年、国の史跡に指定されました。
他にも温泉寺には、明治時代の神仏分離で諏訪大社上社本宮から運ばれた温泉寺鉄塔(通称:お鉄塔)が安置されています。
かつてはこのお鉄塔に仏舎利がご安置され、本宮の最深部ともいえる禁足地内で信仰を集めていたわけですが、神仏分離で放置されたものを当時の国学者たちが藩主の墓所のあるこの温泉寺にご安置したのだそうです。

つまり、諏訪の歴史を語るには欠かせない、由緒ある寺院のひとつなのです。

日没後、温泉寺におじゃましてみました。
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庭園まではこんな行燈が道案内をしてくれています。
真っ暗なので足元のこの灯りを頼りに、ゆっくり参りましょう。
庭園に入ると、順路の案内があります。
傾斜地を利用した庭園には、カエデ、カツラ、マツ、ツツジなどが植栽されています。
特にカツラは一足早く黄葉して、その大きさ故にまちからもよく目立ちます。
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今年も見事です。

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庭園の中でも一番高い部分…お寺なのに…御柱???
と、驚く人も多くいます。
御柱には「諏訪御鉄塔大明神」。
そう、これが上社から運ばれてきたお鉄塔をご安置している多宝塔です。
中に高さ2.7mのずんぐりした形のお鉄塔(実は石造りなのですが)はあるのです。

ぐるぐる回ってみましたが、中はのぞけず…
御柱祭の時に御開帳のようですので、次の御柱まで待ちましょうかねえ…。

順路に沿っていくと、庭園の池に面した庫裏の縁側に出ます。

「どうぞ。ゆっくり座ってって」

と、お檀家さんが下さったのは…

わあい♡
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うれしいお大根。
シンプルにおだしで煮たアツアツの大根を参詣者にふるまってくださるのです。

アツアツの大根をほおばりながら紅葉を愛でれば、どこかからふわりと甘い香ばしい香り。
庭園のカツラの大木が落とす葉から香るのです。

いい香りですねえ、とお檀家さんに話しかけたところ、

「あれにはムササビがいるんだよ」

えー、見たい見たい!

「それが、おれも何年も通ってるけえど、数えるほどしかねえ。シャッと飛んじまうでなア(笑)」
とのこと。

ううーん。
なんと贅沢な。

温泉寺の庭園ライトアップは、毎日20:00、11月11日(土)まで。(駐車場あり)
美味しいお大根のおもてなし、そして運が良ければムササビのおでむかえもあるかもしれませんねえ。

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