謁見、低過庵 (茅野市)

2017.09.21 / 地域を知る / 編集部さん

「世界一危険な茶室」とTIME誌に評価され、今や訪れる人の絶えない「高過庵」のすぐ足元に、とうとう「低過庵」が竣工しました。

茅野市高部は、建築家藤森照信さんの出身地で、フジモリ建築が密集するエリア。
ここにとうとう神長官守矢史料館と3つの茶室が集まることになりました。
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おお、壮観!

手前から

2010年築「空飛ぶ泥舟」
new!「低過庵」
2004年築「高過庵」

です。

で、最新の「低過庵」、9月17日のオープンに見学してきましたよー

セレモニーで人が集まっています。
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手前に「縄文」と書いたチラシが貼ってあります。
そうそう、今回の「低過庵」建設は「八ヶ岳JYOMONライフフェスティバル」のイベントのひとつ。
茅野市中が縄文をキーワードに2017年9月9日~10月22日にかけてイベントを展開中なのです。

セレモニーでは藤森先生もスピーチ。
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ぽつぽつ雨も降ったりしますが、風も穏やかで、なんとかお天気はもちそう。

「低過庵」は半地下の茶室。
地上部の跳ね上げた扉から入ります。

屋根は波打たせた銅板を貼っています。
いずれ月日が経つごとにいい風合いに変化していきます。
壁は焼杉、腐食に強く長持ちします。
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そして、なああんと!
「低過庵」は開閉式の屋根を持ちます。
亭主の声掛けで開閉しますよー、人力で。

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上からのぞくとこんな感じ。
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庵内は漆喰でつけた、ランダムなストライプ。
茶室ですから、入り口は大人がかがんでやっと入れるくらい小さいですよ。
ちなみに隣の「高過庵」から見下ろすとこんな様子。
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(ちなみにですね、高過庵、すっごく揺れるんです。足腰指がふるふると震えながらやっと撮った一枚です…ひーん)

では、お待ちかねの内部をちょこっとだけ…
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庵内は大人が5人程度ゆったり座れるくらいの広さです。

画像の開口部は、釜。
鉄瓶が架けられます。
釜の両サイドには、ろうそく立て。
半地下の空間をほの明るく照らし出します。

釜からの熱もあり、ほっこり暖かく落ち着く空間。
上から見たときに見えたストライプも陰影を作り出して、『陰影礼賛』が表した設えの良さを彷彿とさせます。
なにか穴倉にでもいるような気分です。
そう…半地下…穴倉…竪穴式住居…縄文?!?!

で、屋根を…オープン!
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上部の解放感もいいですが、こんどは表情を変えたストライプ。
穴倉にいるような古代の世界とは一変して、現代風な新鮮さがありますね。

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「低過庵」内部から「高過庵」を望むこともできます。
ここでいただくお茶はきっと楽しいだろうなあ。

このできたてぴかぴかの銅板輝く「低過庵」の姿は今だけ!
見学会が茅野市美術館で企画されていますので、この機会にご覧になってはいかがですか?
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「低過庵」公開日時
10月1日(日)13:00~15:30
10月4日(水)13:00~15:30
10月8日(日)13:00~15:30
10月9日(月・祝)10:30~13:00
10月12日(木)13:00~15:30
10月15日(日)10:30~13:00
10月20日(金)10:30~13:00
10月22日(日)10:30~13:00

会場 低過庵(茅野市宮川高部、神長官守矢史料館近く)
料金 無料
※申込み不要、会場にて受付順におひとり10分ほど入室いただけます。
※受付は終了30分前にお済ませください。

問合せ 茅野市美術館(茅野市民館内)
〒391-0002 茅野市塚原一丁目1番1号
TEL 0266-82-8222
(火)休館日
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なお、他にもいろいろフジモリ建築の関連企画があります。

☆茅野市美術館 収蔵作品展「人・物・自然のあいだに」
藤森照信の収蔵作品などを展示。「人」「物」「自然」に関わる収蔵作品を「ライフ」(生命、人生、生活)をキーワードにみつめます。

会期 2017年9月22日(金)~11月5日(日)
会場 茅野市美術館 常設展示室

☆トークイベント「人が求める住まいとは?」
2017年10月20日(金)18:00開場、18:30開始
出演 藤森照信(建築史家・建築家)、藤塚光政(写真家)
ファシリテーター 志水りえ(モダンリビング編集長)
会場 茅野市民館 マルチホール
料金 無料(定員600名)

この秋、とても盛りだくさんで楽しみですな♪

(ふり)

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