高部公民館 (茅野市宮川高部)

2020.06.24 / 地域を知る / 編集部さん

諏訪大社前宮と本宮のちょうど中間くらいに茅野市高部地区の公民館があります。
県道を通る誰もが目にしながらも、たぶん、気に留めている方は多くはないのかなという気がしています。

1947(昭和22)年築。
戦後の混乱期の中、高部地区の人たちが力を合わせて作り上げた公民館ですが、年経た老朽化には抗えず、とうとう建て替えになります。
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外観は下見板張りという大正~昭和20年代くらいまでによく見られた形です。
同じように下見板張りの建物は諏訪地域にもいくつもありました。

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宮川茅野地区にあった、寒天組合事務所
1932(昭和7)年築(2014年ころ解体)

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諏訪市湖南 後山分校
1948(昭和23)年築 2018年解体

他にも諏訪市四賀普門寺の普門寺公民館(1921年ころ築、2014年解体)などもあります。

高部公民館を裏から。
一足早く建て替わった新しい火の見櫓が村を見守ります。
画面奥の広報用のスピーカーの向こうは三角地になっていて、ここには古い火の見櫓がありました。
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正面玄関の軒の下には、今や絶賛子育て中のツバメが出入り。
巣いっぱいに育ったヒナたちはもうすぐ巣立つでしょう。
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飾り瓦に燦然と輝く「高部」の文字。

実は高部公民館、昨年の報道では今年5月には新築工事が完了している予定でした。

で、新公民館はどうなるの??
というころですが…

え!藤森照信さん!

藤森照信さんと言えば、この高部のご出身。
江戸東京博物館の館長でもあり「縄文建築団」、なによりこの高部で「神長官守矢史料館」(1991年)「高過庵」(2004年)「空飛ぶ泥舟」(2010年)「低過庵」(2017年)を建築。
あたりは「フジモリ建築」のメッカとして訪れる人の絶えない一角です。
ここに新たなフジモリ建築が登場とは、何とも楽しみです。

いままで、あちこちの建設作業現場で藤森さんは多くの地元のひとを巻き込みながら、作品を作り上げてこられました。
この新高部公民館も、きっとかつての公民館建設のようにわいわいとひとが集まり、関わる場になるのではないかと、私はひそかに楽しみにしているのです。

見慣れた風景が変わることにはさみしさをおぼえますが、新しいものへの期待も膨らみます。
(ふり)

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