田舎の消防事情と水掛式。

2012.04.04 / 地域を知る / 編集部さん

茅野市に引っ越してきてから数ヶ月後のこと、
ある日、こんなお便りが我が家に届きました。

「入区・新築家屋水掛式についてのご案内」

内容を見ると、どうやら、その年に入区、新築された家へ
地元消防団の方が回ってきて、家屋の無火災祈願として、
放水をしてくれる。とのことです。

その地区ごとに慣習は違いますが、
大体お礼として消防団にお金を包んであげる場合が多いです。

以前私が住んでいた山梨では、
祝儀袋に「火伏」と書いて御祝儀を渡しました。

もちろん強制的な行事ではありませんし、
お金を渡すなら、ちょっと嬉しくないかも。
と、思う方もいらっしゃるでしょう。

もちろんこの水掛け式は、
家の無火災祈願の意味は大きいのですが、
実は、もう一つ重要な理由があります。

それは、日頃使っていない消火栓の点検と、
もしその家が火事になったときはどの消火栓を使い、
ホースをどのように導けばいいか、
という現場下見の意味もあります。

消防に関する考え方は人それぞれ、
よく、田舎は消防団に入ると大変なんでしょ。
という質問を良く受けます。

田舎では、すぐに消防署が駆けつけてくれる地域だったり、
地理的に地元消防団の方が早く来てくれる地域だったり
様々な事情があります。

また、初期消火は消防署がやってくれますが、
大体鎮火してしまうと、残りの細かい消火作業は
地元消防団が担う地域もあります。

私の主人は以前住んでいたところでは消防団に入っており、
火事の知らせがあればすぐに現場に駆けつけました。

山火事があった際は、何十人もの消防団と共に
一人ずつ小さな水タンクを背負って、
山の中を歩き回り、ボランティアで
一晩中消火作業にあたったりもしました。

地区に引っ越してきた25歳以下の男性は全員消防団入り。
という噂の地区もあります。

消防団に対する考え方は様々ですので、
もちろん皆さんの意見を尊重したいですが、
我が家ではそんな主人の経験もあるので、
ありがたく水掛式を行ってもらうことにしました。

水掛式の様子はまた次回に。

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