蓼科温泉親湯 (茅野市)

2020.08.02 / 食・遊・観・店 / 編集部さん

旅行もままならないしこんな機会だから、と初めて蓼科に泊まってみました。
リピーターが多いという蓼科親湯温泉さん。
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(ロゴマークは蓼科山がモチーフよね、きっと。)
2018年、全客室リニューアル。
シックな落ち着いた、瀟洒な空間。
地元民にもその高い評判は耳に入るほどです。

館内は後ほど…(というか、公式ホームページをご覧いただくともっともよいと思います)。
館外を散策してみましょう。

建物から徒歩3分。
崖下に「信玄の隠し湯」という名のついた旧源泉がありました。
岩の奥の隙間からざあざあと音を立てて流れ出しています。
さわるとややぬるい、お湯とはいいがたい温度。
ここは低温泉のようです。
源泉に御鎮座されるのは不動明王でしょうか。
右手に剣を。左手になにか壺のようなものをもっています。
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蓼科の温泉は源泉により様々な泉質なのですが、どれも八ヶ岳山麓に開削した軍路(通称:棒道)の道々で利用されたとされ「信玄の隠し湯」とも言われます。
この親湯もそうした蓼科の温泉のひとつです。

庭園のさらに奥、お堂が見えます。
施設の案内図によると「薬師如来堂」。
こじんまりしているけれど、しっかりしたお堂です。
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お堂の前の石仏は不動明王のようですがやはり左手に壺をもっています。
お堂には「巌(いわお)温泉」、親湯の以前の呼び名です。

古い昔、蓼科山から下りて里に住み着いた男が、日照りの年に蓼科山に雨ごいの祝詞を捧げたところ、3日目に雨が降り出しその年は豊作を迎えることができたという伝説が伝わっています。
雨ごいののち、男の姿は消えてしまい、村ではその男を恵みの神として祀り、岩の前に薬師如来を建てたのだそうです。
それがこの場所。
板状に割れ目が入る一枚岩の前で一身に祈りを捧げた不思議な男。
その男の畑では農作物はいつも豊かに実り、井戸を掘ればこんこんと水が湧く、まるで田の神のような存在です。

「巌の湯」は「お薬師さまの湯」と呼ばれ、そしていつしか「親湯」となったというのです。

お堂の背後にはよく見ると聳えるように岩壁がそそり立ち、そのもっとも高いところには古そうな、これまた不動明王さま。
お堂におられる薬師如来さまを守るように、あたりを大きな目で見はります。
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そうそう、蓼科親湯といえば、この「みすずLounge & Bar」。
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到着早々にウェルカム・ドリンクなどいただいたりして、もはやゴキゲン。
30,000冊を誇る蔵書、「これは!」という本があるはずです。
温泉に出たり入ったり、飲んだりしつつ、読書にどっぷりひたる宿。
(久しぶりに筒井康隆氏の『農協月へ行く』でラウンジでクスクス笑いという奇行をしでかしてしまいました…)

行き交うスタッフの誰もが笑顔で、そして行き届いたもてなしに、地元民とてこれはキモチイイしリピーターになりたいと思うのです。(ふり)

【長野県民の方へ】
茅野市が独自に行う宿泊補助事業「ちの割」を利用すると、1泊3,000円の補助が受けられます。

対象:長野県に居住している方
利用期間:2020年7月1日(水)チェックイン~2020年11月16日(月)チェックアウト
ご利用方法:ちの観光ナビ(←クリック)をご覧ください。
※蓼科親湯ではチェックイン時に利用の意向を尋ねてくださいます。
※予定の利用者数に達したところで「ちの割」は終了となります。
利用できるかどうか、宿泊時予約時にご確認下さい。

 

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